――村松さんは、ドラマの主題歌でもある『Starting over』が収録されたアルバム『青き海辺のカタルシス』を8月22日に発売されます。アルバムのタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?
村松:
僕は海のある浜松市で育ったのですが、小さなころから、つらいことがあると中田島砂丘というところに行っていたんです。そこで波の音を聴いているだけで、いろいろなことが忘れられました。
そんな子供の頃の思い出から、聴くと浄化されるような楽曲を詰め込んだのが今回のアルバムです。夏の終わりに聴いていただいて、みなさんの心の浄化のお手伝いができればなと。
大谷さんも、お疲れでしたら聴いてください(笑)。
大谷:
聴かせてもらいます。逆にドラマを思い出して気持ちが高ぶってしまうかもしれませんけど(笑)。
村松:
確かにそうかもしれませんね(笑)。
――大谷さんには村松さんにとっての中田島砂丘のような場所はありますか?
大谷:
最近、あまり遠出できないので、疲れたときはYouTubeなどで川のせせらぎを聞いています(笑)。癒し系のキーワードを入れるといろいろと検索できるんです。森林の映像や鳥の鳴き声、川のせせらぎ、波の音とか。
なんとなくBGMとして流しながらビールを飲んでいます(笑)。
村松:
結構インドア派なんですね。
大谷:
作品に携わっている最中はあまり羽を伸ばせないので、どうしてもそうなってしまいます。
外にいようが家の中にいようが、「来週あのシーンだな、どうしよう」みたいな感情が湧いて来るんですよね。
――それは結構大変ですね。
大谷:
現場で演出が変わることもありますし。変動があるのが連続ドラマの面白いところだとは思うのですが、追い詰めてやってもひとりよがりの芝居になってしまい、あまり良くない結果を招くこともあるので……。
――役者さん同士のやりとりも重要ですよね。
大谷:
今回のドラマは、仲村トオルさんと2人のシーンが多いのですが、頭の中で計画したことをやってみても、そのとおりにいかないこともありました。僕が演じた山本は、普段の自分とも違うし、今までやってきた役とも違うので、逆にとても役に入りやすかったです。
仕事を楽しむのはなかなかむずかしいのですが、今回はノンストレスで楽しめました。
あとは仲村トオルさんや椎名桔平さんといった大先輩とご一緒できたのも嬉しかったです。
――作曲もまた、インプットやイメージの貯蓄などが大切なのでは?
村松:
仕事が忙しくて出かけられないときには、なるべくレイトショーで映画だけでも見てインプットしています。
――映画音楽も多く手がけられていますから、純粋な観客の目線では見られないのでは?
村松:
そうですね。映画音楽に限らず、スーパーで流れるBGMや車でかけているラジオなど、何を聴いても、職業病みたいに「こういう風な感性で作っているのかな」とイメージしたり、分析したりしてしまいます。
あとは、小説を読むときに世界観に合った音楽を選曲して、インスピレーションを刺激しながら読むといった、訓練みたいなこともしています。
――小説に合う音楽をかけながら読むのは楽しそうです。
村松:
ぜひやってみてください。
――お二人は年齢も近いですし、この対談をきっかけに交流が深まりそうですね。
村松:
もし歌を唄うことがあったら、ぜひ私にお手伝いさせてください!
大谷:
ないですよ!(笑)
村松:
ないですか!(笑)
大谷:
スタッフに止められます、絶対(笑)。
――今後、お二人が挑戦していきたいことを教えてください。
大谷:
まず、歌はないとして……(笑)。最近ひげを剃ったら、若い役もいけるんじゃない?と周りから言われたので(笑)、いろいろな役に挑戦したいですね。
同じ役は二度とないですから、とにかくいただいたお仕事を一つひとつ、楽しんでやっていきたいです。
――村松さんは教員免許も持っていらっしゃるので、後進の指導などもやられるのでしょうか?
村松:
よくご存知ですね(笑)。
大谷:
何の教科ですか?
村松:
もちろん音楽です!後進の指導も大切だとは思いますが、今は、音楽活動をまだまだ頑張りたいです。シンガーソングライターとしても、もっと楽曲を作っていきたいですし。
あとは、語学も極めたい!韓国語も興味がありますのでよろしくお願いいたします。
大谷:
僕がわかるのは韓国語だけですが(笑)。英語は習われているんですよね。
村松:
はい。英語だけは、仕事で最低限必要な時がありますので、習っています。
――世界にはばたくためには語学が必要ですよね。
村松:
そうですね(笑)。今後も頑張って勉強します!
大谷さん、今度ぜひ、ライブに来て下さい。
大谷:
ぜひ!
村松:
しつこいですが、何か1曲歌いますか(笑)
大谷:
絶対やらないと言ったら失礼ですが、僕が音楽の舞台に立つのは違うというか、申し訳ないです。
人前で歌うのは大変なことですから。
でも、ピアノは弾けたら素敵だなとは思います!
村松:
大谷さん、ピアノが似合いそうですね。
大谷:
子供の頃、バイエルまではやっていたのですが、楽譜を見て弾くセンスがなくて、すぐにやめてしまいました。
村松:
ピアニスト役も似合う気がします。
大谷:
やってみたいです。というか、ピアノが弾ける人ってかっこいいですよね。
「弾けます?」と聞かれることも多いので、1曲だけでも弾けるように練習するのもアリですかね?
村松:
アリだと思います!
――何かおすすめの曲はありますか?
村松:
大谷さんには何がいいかなぁ。『エリーゼのために』とかはどうですか?
大谷:
いいですね。そういえば、ドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』を練習したことがありました。
でも、楽譜を見て弾けないので、暗記してもすぐ忘れちゃうんです。
村松:
役者さんは集中力がすごいので、すぐにできるようになる気がします。
大谷:
どの曲も触りだけ弾いて終わるから、実家で弾くと、「あんたいつもそこで終わるよね」と言われています(笑)。
村松:
でも大谷さんがピアノを弾けるようになったら全部持って行かれちゃうなあ(笑)。
でも、ぜひピアノをやって欲しいです。
大谷:
ピアノで何かしましょうか。
村松:
ぜひ!これからも仲良くしてください。
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ドラマの次はピアノでのコラボレーションを約束(?)した二人の今後にも要注目です。
8月22日に発売となる村松崇継のニューアルバム『青き海辺のカタルシス』には、『ラストチャンス 再生請負人』の主題歌『Starting over』のほか、竹内まりやさんと制作し、歌を唄うきっかけとなった『いのちの歌』のセルフカバーなど全7曲を収録。
アスマートからもお買い求めいただけますので、夏の終わりに村松ワールドで心を浄化してみてください。