2018.8.6

村松崇継☓大谷亮平 特別対談【前編】

「高め合える相手との出会いが刺激になる」


テレビ東京系 ドラマBiz『ラストチャンス 再生請負人』で、主題歌とドラマ音楽、出演というかたちで、ジャンルは違えども同じ作品に取り組んでいる音楽家・村松崇継俳優・大谷亮平
これまで面識はあったものの、じっくり話をするのは今回が初めてという二人の対談をお届けします。
前編では、主題歌『Starting over』がどのように生まれたのか、二人の人生の転機や刺激を受けたことなど、さまざまな話が飛び出しました。


信念を持って前に進む人を応援したい

――まず最初に、それぞれどんなイメージを持たれていたのかを教えてください。

村松:
本当にイケメンですよね!これぞスターって感じです(笑)。

大谷:
村松さんは才能の塊ですよね。見るからに音楽家というか、アーティストだなと。

村松:
ありがとうございます。

大谷:
僕の持っていないものをすべて持っている方です。

村松:
いやいやいやいや!(笑)逆に、僕の持っていないものすべて持っているのは大谷さんですよ。

大谷:
なんだか気持ち悪い感じになってきましたけど(笑)。


――そんなお二人が今回、村松さんは主題歌と音楽大谷さんは出演というかたちで、ドラマ『ラストチャンス 再生請負人』に関わられています。村松さんは音楽を作るにあたって監督とどのようなお話をされたのでしょうか?

村松:
監督からは、社会派ドラマなので、企業戦士たちを描く音楽を作って欲しいという話がありました。
世の中にはたくさんの仕事があって、みなさんそれぞれ頑張っていらっしゃる。働く中で感じる矛盾や人間関係のむずかしさ、大変な中でも信念を持って前に進む人を応援する楽曲にできればと思って作りました。

――主題歌の『Starting over』は、村松さんご自身が歌われていますよね。

村松:
これまでは作曲家としてさまざまな作品に楽曲提供をしていましたが、シンガーソングライターとして本格的に活動をスタートするのがこの楽曲です。そういった面では、自分にとって転機となる作品になりました。

――大谷さん演じる投資ファンドの社長山本は、筆頭株主となった「デリシャス・フード」の再建を仲村トオルさん演じる樫村に依頼するという役柄です。演じてみていかがでしたか?

大谷:
社長として背負っているものがあるので、クールにスマートに演じるというよりは、感情を出して演じるのが楽しかったです。その感情をぶちまけられる相手が仲村トオルさんなので、本気で共に会社を再建しようと思えました。

村松:
貫禄が凄かったです。

大谷:
ありがとうございます。回が進むにつれ、どんどんギリギリな感じが出てくる山本にご注目ください(笑)。


――ドラマのほうのさらなる展開も楽しみです。エンディングで流れる村松さんが歌う主題歌を聴かれた感想を教えてください。

大谷:
最初に聴かせてもらったのは打ち上げのときでしたよね。それまではどんな曲かキャストも知らされていなかったので。社会派ドラマなので、応援歌のような熱い曲なのかと思っていたらそうではなく、しっとりしたメロディーでそのときは驚きましたが、放送を見て、音楽が包み込んでくれるというか、癒やしみたいなものを感じました

村松:
ありがとうございます。

大谷:
ドラマの怒涛の展開を、エンディングでやさしい歌声が包み込んでくれるような心地よさがありました。なんとなく、豪華客船が出向していくような気分になるというか。

村松:
そう言っていただけると嬉しいです。音楽はアクティブな感じで、企業戦士を応援するような激しいメロディもありますが、今回はそうではなく、エンディングでは常に崖っぷちに立たされている登場人物の葛藤や苦悩を癒やすとか、包み込みこむといった気持ちで作りました。

作品を盛り上げ、勇気を与える音楽の力


――村松さんもおっしゃっていましたが、『ラストチャンス』は仕事で与えられたどうにもならない運命、抗えないものに立ち向かっていく物語です。お二人もこれまでに、仕事をする上で葛藤を抱えることもありましたか?

村松:
映画音楽のお仕事のときには、ひとつの作品ですから、自分の意図と監督の意図が合わない時に、悩んだりする事はありました。だからこそ、より、いろいろな音楽活動で、自分の音楽を充実させたいと思うようになり、今の活動につながっている部分もあるので、逆に良かったのかなとも思っています。

――大谷さんは文化の違う韓国で活動されていた期間も含めて、大変なこともあったのではないでしょうか?

大谷:
韓国で活動をしていたときは、やっぱりネイティブではないので役が限られてくるんです。それで一度、韓国での仕事に詰まって住居ごと台湾に移したことがありました。

村松:
そうだったんですね。

大谷:
それが良かったのか、台湾に行って2ヵ月くらい経ってから、韓国から大きな仕事のオファーをいただいたんです。韓国での活動を終える覚悟だったのですが、その作品で結果を出すことができて、韓国での第二の芸能生活が始まりました。その作品が今の事務所であるアミューズに入るきっかけにもなったので、縁に恵まれていますよね。

村松:
大谷さんの韓国語はきれいですよね。

大谷:
カムサハムニダ(笑)。韓国バージョン、日本バージョンと、さまざまな転機を経て、今の僕があるんだと思います。


――主人公が「人生の七味(うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、いやみ、ひがみ、やっかみ)が効いた深みのある人生になる」と占い師に予言されるシーンが印象的でした。
お二人の人生のスパイスというか、刺激になったことがあれば教えてください。

村松:
2年前にアミューズにお世話になる前は音楽家中心の事務所にいましたので、今回の大谷さんのように、さまざまなアーティストの方とお話させていただく機会が増えたことは刺激になっています。
僕は音楽、大谷さんはお芝居と表現方法は違いますが、良いものを作ろうと思っている人は、どんなジャンルでも同じような精神を持っているなと。高め合える相手と出会えると、「もっと頑張らなくちゃ」と刺激になりますよね。

大谷:
そういう意味では、僕はドラマなら初回、映画なら完成披露のときに、さまざまな感情が渦巻いてテンションが上がるんです。あのシーンはもっとこうやればよかったと後悔していても、完成した作品を見ると「やって良かった」と思えるので、大変だけど頑張ろうと思える。だから、完成した作品を見る瞬間が僕にとってのスパイスかもしれません。

――確かに、いろいろな感情が入り交じる瞬間でしょうね。

大谷:
そのときにいつも、作品を盛り上げてくれたり、勇気を与えてくれたりする音楽の力はすごいと思います。

――確かに音楽は作品にとって重要ですよね。

大谷:
音楽なしで撮影しているので、出来上がったものに音楽が乗ると、いい意味で世界観を支配するくらい音楽にはパワーがあるなと。今回の作品なら、熱く展開していく物語を、ラストでフッと安心させてもらえるというか、そういう楽曲で良かったなと感じました。

村松:
ありがとうございます。このドラマの大谷さんは、感情の揺れがすごいことになっていますからね。

大谷:
「デリシャス・フード」の株価と連動して、どんどん荒れていきます。

村松:
そういった荒ぶる心を冷ますための主題歌ですから(笑)。

*****
音楽家と俳優、ジャンルは違えども、一つの作品を良くしようという思いを抱えて真剣に向き合っている二人の魅力は、これまでのさまざまな経験が引き出しているのだなと感じました。
後編では、8月22日に発売となる村松崇継ワールド全開のオリジナルアルバム『青き海辺のカタルシス』の話や、今後二人が取り組んで行きたいことなども教えていただきましたのでどうぞお楽しみに!

村松崇継
(むらまつ たかつぐ)
1978年生まれ、静岡県出身。高校在学中にオリジナルのピアノ・ソロ・アルバムでデビュー。国立音楽大学作曲学科在学中の2001年に映画『狗神』の音楽を手がけ、2004年にはNHK連続テレビ小説『天花』の音楽をNHK歴代最年少で担当するなど、これまでに50を超える映画、TVドラマ、舞台、ミュージカル等の音楽を手がけている。主な作品は、2002年、映画『突入せよ!あさま山荘事件』、2008年、映画『クライマーズ・ハイ』、映画『誰も守ってくれない』(第32回モントリオール世界映画祭・最優秀脚本賞受賞)、2014年、スタジオジブリ映画『思い出のマーニー』、2016年、映画『64-ロクヨン-前編』(第40回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞)、2017年、映画『夜明け告げるルーのうた』(アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門クリスタル賞受賞)、スタジオポノック初の長編映画『メアリと魔女の花』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(第41回 日本アカデミー賞 優秀音楽賞受賞)など多数。2018年6月4日にDigital Single『いのちの歌』をリリースし、シンガーソングライターとしても始動。8月22日にはニューアルバム『青き海辺のカタルシス』を発売。

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大谷亮平
(おおたに りょうへい)
1980年生まれ、大阪府出身。2003年に韓国で出演したダンキンドーナツのCMがきっかけとなり、韓国でモデル・俳優としての活動をスタートさせる。2006年、シチュエーション・コメディ番組『ソウルメイト』でデビュー後、数々の映画やドラマに出演。代表作は、2011年、映画『神弓』2014年、『バトルオーシャン 海上決戦』、ドラマ『朝鮮ガンマン』では韓国ドラマアワード2014グローバル俳優賞を受賞。2016年4月より日本での活動を開始。大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』でブレイク。2018年には映画『ゼニガタ』で初主演を務めるなど、数々の話題作に出演している。2018年10月からのNHK連続テレビ小説『まんぷく』に出演するなど、今後の活躍も期待されている。

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