2018.10.31

BABYMETAL

「グラフィックノベルが描く
METAL RESISTANCEとは?」

〜日本、アメリカ、カナダの共同制作から生まれた新たなレジェンド〜

BABYMETALを題材として、完全なオリジナル・ストーリで描かれる「Apocrypha - the Legend of BABYMETAL」。発売を記念し、グラフィックを手掛けたイラストレーターのGMB・コミーチャクさんのアトリエにてお話をお伺いしました。

―――まずは、コミーチャクさんご自身について教えてください。

アイスランドとベラルーシにルーツを持つカナダ人です。
コミック作家としては10年活動していて、英語芸術・ドラマ心理学の教授もしていました。ここ数年で、執筆、イラストレーターとしてフルタイムで活動しています。

―――コミーチャクさんが「Apocrypha - the Legend of BABYMETAL」(以下、「Apocrypha」)の企画に関わったきっかけは何だったのでしょうか?

出版社のZ2コミックスから、KOBAMETALのディレクションに沿ったデザインを描いてほしいと依頼を受けたんです。BABYMETALのミステリーさに関われるのはなんだか夢のような気分でした。「Apocrypha」は私の神話とコミック制作に対する情熱の融合です。


デビュー作「The Imagination Manifesto」の頃から、普段コミックを読まない人たちに読んでもらうことを目指してきました。「Will I See?」と「Medicine」という作品では、コミックというメディアを使い、コミック読者とは全く違った層の人たちのための本を作りました。「Midnight City」はパルプ時代のモンスターやヒーローたちを用いた新しい神話を創作した作品でした。私がいま制作中の「Good Boys」は教材として使われる予定です。
コミックというメディアは、実はとても教育的でストーリーテリングに適しているので、ヒーローもののイメージしかない人たちの期待をいい意味で裏切りたいです。

BABYMETALの企画はそういった私の課題の一環でした。「普段コミックを読まない人たちにどうやって意外なストーリーを届けられるか?」。コミックは一旦読み始めると自然と手がページをめくっていくようなそんな魔力があるんです。読み始めてストーリーに引き込まれる初めての瞬間はとても特別なものなんです。


―――BABYMETALについては、どれくらい知っていましたか?

BABYMETALには興味がありました。「ルール」を破りながらも多くのファンがいることがとても魅力的でした。サウンドも、私が想像するメタルとは違っていて、枠にはめることができないアーティストでした。そういったものが私は好きです。

―――グラフィックノベルの企画制作にはどれくらいかかったのでしょうか?

企画から数えると完成まで2年かかりました。グラフィックノベルのチームとBABYMETALのチームでアイデアやイメージなど6~8ヶ月ほど意見交換しました。
どんなコラボレーションもそうですが、まずは信頼を築くことがとても大切なプロセスだと思います。

―――作品づくりのためにリサーチされたことはありましたか?

もちろんBABYMETALの音楽をたくさん聞き、パフォーマンスをブルーレイで見ました。ライブにも行きました。BABYMETALをナッシュビルで見た時は、イベントのスケール感に打たれました。
さらには、グラフィックノベルは様々な時代でストーリーが繰り広げられるので、各チャプターで登場する場所に関する歴史書物をたくさん読みました。民話や神話から影響を受け、各地域で歴史的に起きていた出来事などもストーリーに取り入れました。そういう意味では、この本はパラレルな歴史ものになっています。

各時代で起きたことをベースにそこにスーパーパワーを持った主人公たちを投入しました。それがMETAL RESISTANCEの真にユニークなテーマだと思うのですが、そうしていくうちに、ただ単に力で悪と戦うというのでなく、共感や同情を持ってして打ち勝っていく物語になりました。
このテーマ性というのは、BABYMETALのライブパフォーマンスでも表現されているように思います。


―――実際に制作はどのように進めていかれたのですか?

制作はとても良いコラボレーションができたと思います。制作チーム同士でたくさんの意見を交換しました。全員がBABYMETALを愛し大事にしたいという気持ちから参加した作品だったので、「間違ったアイデア、質問などはない」ということをモットーに、お互いのアイデアを自由に交換し、挑戦し合い、高めていきました。

―――BABYMETALというアーティストのどの要素を最も本に取り入れたいと思いましたか?

まさに私たちはBABYMETALのエッセンスをページの中に表現することが大事だと思いました。BABYMETALの音楽を聴く時やパフォーマンスを見た時に感じる「何か」がありますが、それをきちんとキャプチャーすることが一番でした。見た目やアイコンにとらわれないことで、ストーリーの発想や方向性が広がりました。

―――このグラフィックノベルを作って学んだことはありましたか?

私にとって、どの本も仕事でありながら学びでもあります。
「Apocrypha」は、壮大なスケールを純粋なコアまで研ぎ澄ます努力の大事さを教えてくれました。

―――今回のグラフィックノベルの制作で、最も楽しかった作業を教えてください。

各時代で登場するハゲワシ神と主人公たちのデザインを変えられることが楽しかったです。主人公が旅する各時代の世界観やトーンは少しずつ違います。ストーリー性のバランスをとりながら、アートのチョイスを調整していくのが楽しかったです。


―――グラフィックノベルから話は変わりますが、BABYMETALでお気に入りのグッズや、アスマートで売っているもので気になるアイテムはありますか?

BABYMETALのグッズはどれもかっこいいですね。
特に、「LEGEND”1999”記念 FFT ver.」と「「RITUAL FFT ver.」のTシャツのデザインが最高です!(※こちらの2商品は販売終了)
他のアーティストなら、新日本プロレスのギアもとてもかっこいいです。
amazarashiのグラフィックもすごい先鋭的で素晴らしいと思います。

―――日本のアイドル文化についてはどんな印象をもたれていますか?

多くのBABYMETALファンを見る機会があるのですが、彼・彼女たちが作っているカルチャーには驚かされます。音楽やコミュニティーというものが携帯やコンピューターといった現代機器の型にはめられつつある今の時代に、BABYMETALをサポートしている世界中のファンのネットワークというのは見事でとても新鮮です。

世界中の各都市でファンが集まってBABYMETALへの愛を語りグッズを購入して情熱を表現したり、真のファンというのはその愛を共有し一緒に楽しむということがなにより大事なんだと感じました。最上級の音楽というのは、人をつなぐことができるのものだと改めて感じました。


―――好きな日本人アーティストはいますか?

映画、音楽、芸術の面で日本にはたくさんの素晴らしいアーティストがいますが、残念ながら海外で知られている人たちはこちらに進出した人たちだけなので、少し限られています。

私が自分で物語をつくり、画を描きたいというきっかけとして、大友克洋の「童夢」と士郎正宗の「攻殻機動隊」には大きな影響を受けました。

そのほか、デザイナーの横尾忠則と粟津潔、映画監督の塚本晋也、大好きな映画「ドラキュラ」の衣装監督の石岡瑛子などがいます。まだまだ発見する余地はたくさんあると思います。
今回BABYMETALの企画に関われたことで、日本の芸術に飛び込むきっかけができました。

Photography:Michael Sanders 

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通常カバー版に加え、A!SMART ver.の限定カバーもご用意。ぜひお買い求めください。

 
GMB Chomichuk
GMB Chomichuk(GMB・コミーチャク)
GMB・コミーチャクは数々の賞を受賞した作家、イラストレーター、パブリックスピーカーであり、映画、テレビ、小説、コミックとグラフィックノベルなどに作品を提供。オカルト・サスペンスの「Midnight City」や「Underworld」から、SF系の「Infinitum」、「Cassie and Tonk」と「Snow Troll’s Daughter」のような感動アドベンチャーまで、幅広いジャンルで活躍する。