2018.8.7

フクザワのアートノーツ

第3回 高橋優「プライド」を描く

音楽にインスピレーションを受けてクリエイションするイラストレーター“フクザワ”。今回は、実際に音楽を聴いていただき、どのようにして作品が生まれていくのか制作に密着してみました! お題は高橋優さんの『プライド』。アニメ「メジャー2nd」のテーマ曲にもなった熱い応援歌を、フクザワはどのように表現するのでしょうか?

フクザワSHOPはこちら



——ここからは、実際に音楽を聴いて、インスピレーションでフクザワさんに絵を描いてもらいます。作業中、話しかけない方がいいですか?


フクザワ:
いいえ、いつも友達とネットで話しながら作業しているので、大丈夫です。むしろ静かすぎると緊張しちゃう(笑)。

——よかった(笑)。さて、今回のお題は、高橋優さんの『プライド』ですが、聴いてみてどうでしたか?

フクザワ:
イメージしやすかったです。とても強い音楽なので、ストレートに主人公が奮闘する様を表現しようと思って、イメージに合わせていくつか写真を撮ってきました。

——(撮影してきた写真を見て)これは、街の写真とフクザワさんの写真ですね。


フクザワ:
これをパソコンに取り込んで、組み合わせて、線画で描き起こしたものをベースに仕上げていきます。

——フクザワさんの写真は、倒れているところから立ち上がるまで3枚ありますね。


フクザワ:
そうなんです。奮闘する様をわかりやすく表現しようと思ったとき、倒れているだけでも、立っているだけでも伝わらないなと思って。倒れてから立ち上がるまでの流れを表現する必要があるなと思ったんですよね。それで3枚写真を撮りました。(写真に写るご自分のアウトラインをなぞりながら)このフクザワが中性的な男性になります。




——なるほど。ということは、街並みの写真は背景ですか?

フクザワ:
そうです。こんな普通の街並みに人が倒れているのがシュールで面白いなって思って。(数枚の街並みの写真を見比べながら)うーん、どっちにしようかな……この白十字マークが効いているから、こっちにしましょうか!


——いいですね! ペンの細さはいつもこのサイズですか?


フクザワ:
(背景の写真をベースに線画を描き起こしながら)だいたいそうですね。昔は細ければ細いほど現実に近づく気がしていたんですが、あるとき友人から「細すぎる気がする」って言われて、謎なんですけど納得しちゃって。いまはこの細さが多いですね。



——細かいところまで書き込んでいくんですね。絵は毎日描いていますか?


フクザワ:
1日に1枚は描くようにしています。前は背景も描き込んでいたんですが、いまはこのように写真から描き起こしています。
(黙々と作業をして)よし、これで背景が完成ですね! 続いては、人物と背景を組み合わせて構成を考えます。ここら辺に人を置いて……ちょっと大きすぎるかな、人物を少し小さくして……


——わぁ、急にシュールな光景になりました。

フクザワ:
ですよね(笑)。このシュールなところが自分らしさですかね。街並みもイケイケすぎるところより、共感できる場所であることが大事なんですよ。それがないと上手く描けないんです。ちなみに、この風景はミラーとちょっと安くなっている自動販売機に惹かれたんです。生活感があっていいですよね。渋谷にもこんな場所があってびっくりしました。

——構図が決まったら、色付けですね。

フクザワ:
そうですね。現実感を大切にしつつも、現実的過ぎても面白くないので、色づけでは非現実性を出したいですね。(空の色、道路の色、建物の色をピンクや黄色など何度も変えながら)曲が持つ、ドロっとしているところも表現したいですし。こんな感じかな……。



——おっと、ここでついに、人物の顔を書き込むんですね。

フクザワ:
はい。でも、このままでもいいくらい。曲が強いぶん、あまり顔は細かく描き込まなくてもいいかなと思います。


——倒れてから立ち上がるまで、徐々に表情も変化していますね!


フクザワ:
そうですね。うーん、やっぱり全体の色を変えましょう。(色を変えながら)こっちの方がいいかな。


——おっ! また印象がとても変わりました。

フクザワ:
あと、月も足しちゃいましょう。もっと不思議な感じにして……(月と雲を描き足していく)。表情もちょっといじります。


——あら、最後の表情が変わって、笑顔でなくなりました。

フクザワ:
曲のことを考えたら、笑顔になるのはまだ早いかもと思ってきました。歌詞の最後も「明日をさぁ始めよう」なんで、笑顔よりも緊張感が少し残っている表情の方が合っている気がします。
(じっと絵を眺めて)うん、これでいきましょう!


 




 

今回の作品が、アスマート限定グッズになりました!
ここでしか手に入らないオリジナルグッズとなります。