音楽にインスピレーションを受けてクリエイションするイラストレーター“フクザワ”。数々のCDジャケットやグッズ制作をする傍ら、自身もライブステージに立ち、音楽アーティストの横で1枚の絵を仕上げるライブペインティングで話題を呼んでいます。白衣とマスクに身を包む、ミステリアスな彼女にインタビューしてきました。
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フクザワ:
強いていえば、少女漫画の目がデカすぎるのとかが苦手なので、ある程度現実味があるタッチがよくていまの感じに落ち着いています。
——フクザワさんが描く女の子は、少し伏し目がちで、あんまり笑ってない印象があるのですが、そういう捉え方にこだわりはありますか?
フクザワ:
一人でいる女の子の絵を描くことが多いからかな。一人でいるときって、たとえ面白い漫画を読んでいたとしても思いっきり笑ったりしないじゃないですか。そういう誇張されていない生活の一部を切り取りたいというか、イエーイ!っていうところじゃないシーンを描きたいなと思っています。というのも、わたし自身が、基本的に一人でいることが多いんです。映画もご飯も動物園も水族館も一人でいきますし。でも、そういう人って結構多いんですよね。

——なるほど。お一人様の生活の一部を切り取った絵ですね。同時に、フクザワさんの絵を見ているとなんとなくストーリーも感じます。「この子は誰かを待っているのかな?」みたいな。
フクザワ:
あー、なるほど。それは、割とイラストに描く人のことをよく考えるからかもしれないです。何歳くらいで、どこに住んでいて、絵のシーンの前後に何をしていたのかとか、休みの日のことなのかとか。その人が生きている一瞬を描きたいという気持を大事にしているので、設定を細かく決めることが多いです。
——子ども時代はどんな子でしたか?
フクザワ:
4年生のときに引っ越しをしたんですが、友達づくりに失敗しちゃって(笑)。そこから高校まで一人が多い地味な感じで行ってしまったんです。音楽に出会ってのめり込んだけど、周りにバンド好きな人を見つけられなくって、悶々とした毎日を過ごしていました。ただ、高校に入った頃からフクザワっていうイラストサイトを作っていたので、ネット上ではいろんな人と交流して楽しくやっていました。