2018.7.24

フクザワのアートノーツ

第1回
フクザワは音楽が好きすぎて絵をはじめた?!

音楽にインスピレーションを受けてクリエイションするイラストレーター“フクザワ”。数々のCDジャケットやグッズ制作をする傍ら、自身もライブステージに立ち、音楽アーティストの横で1枚の絵を仕上げるライブペインティングで話題を呼んでいます。白衣とマスクに身を包む、ミステリアスな彼女にインタビューしてきました。

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——フクザワさんは、“絵で音楽に関わる”イラストレーターとしてライブペインティングなども行い注目を集めていらっしゃいますが、この活動はどうやってスタートしたのですか?


フクザワ:
15歳のときにすごく音楽が好きになって、「バンドを組みたい!」って思ったんですよ。でも、当時一緒にバンドをしてくれる友達がいなくて……。それで、音楽が好きなこの気持ちを絵にしようと思ったんです。絵だったら一人でできるし、CDジャケットとかグッズとかPVとか音楽に関わることができるんじゃないかなって思って。


——なによりも先に音楽があったのですね。絵はどうやって勉強したのですか?

フクザワ:
普通科の高校を経て、芸術系の大学に入ったのですが、コンピュータを使うクラスを専攻していたので、じつはイラストはほぼ独学なんですよ。

——すごいですね。もともと絵を描くのは好きだったのですか?


フクザワ:
「めっちゃ好き!」っていうほどではなかったのですが、人より得意かもっていう感覚はあって、何となく描き続けていました。でもこの間、小学校の卒業文集を見たら、将来の夢の欄に“動物の良さを伝える漫画家になる”って書いてあって、自分でもびっくりしたんですよ。


——その頃から、“絵”というキーワードは出ていたのですね。影響を受けた漫画家さんはいますか?

フクザワ:
兄がいたのもあって、小学生の頃は『コロコロコミック』が好きで、中学生になると『少年ガンガン』や『少年ジャンプ』を読んでいました。少年誌や青年誌が好きです。いまも男の子から見てかわいいと思う女の子を描きたいっていう願望があるんですが、その辺の影響があったからかも。バンドも男性ボーカルバンドが好きだし、曲を聴いているときに男性目線になっているときもあります。

——その辺の感覚が中性的な絵に表れているのかもしれないですね。

フクザワ:
あとは、松本大洋さんとか浅野にいおさんとか魚喃キリコさんとか、サブカル周りはしっかり通ってきました。

——絵のタッチはどうやって身につけたんですか?

フクザワ:
じつは“自分のタッチ”と言えるような確立されたものがないなってずっと思っていて、いまもピンとは来てないんですよ。お客さんから「これってフクザワさんの絵ですよね?」と聞かれるときに、「わたしの絵だとわかってもらえるようなタッチってあるんだな」って思うことがあるくらいで。

——ご自身ではあまり意識されていないんですね?

フクザワ:
強いていえば、少女漫画の目がデカすぎるのとかが苦手なので、ある程度現実味があるタッチがよくていまの感じに落ち着いています。

——フクザワさんが描く女の子は、少し伏し目がちで、あんまり笑ってない印象があるのですが、そういう捉え方にこだわりはありますか?

フクザワ:
一人でいる女の子の絵を描くことが多いからかな。一人でいるときって、たとえ面白い漫画を読んでいたとしても思いっきり笑ったりしないじゃないですか。そういう誇張されていない生活の一部を切り取りたいというか、イエーイ!っていうところじゃないシーンを描きたいなと思っています。というのも、わたし自身が、基本的に一人でいることが多いんです。映画もご飯も動物園も水族館も一人でいきますし。でも、そういう人って結構多いんですよね。


——なるほど。お一人様の生活の一部を切り取った絵ですね。同時に、フクザワさんの絵を見ているとなんとなくストーリーも感じます。「この子は誰かを待っているのかな?」みたいな。

フクザワ:
あー、なるほど。それは、割とイラストに描く人のことをよく考えるからかもしれないです。何歳くらいで、どこに住んでいて、絵のシーンの前後に何をしていたのかとか、休みの日のことなのかとか。その人が生きている一瞬を描きたいという気持を大事にしているので、設定を細かく決めることが多いです。

——子ども時代はどんな子でしたか?

フクザワ:
4年生のときに引っ越しをしたんですが、友達づくりに失敗しちゃって(笑)。そこから高校まで一人が多い地味な感じで行ってしまったんです。音楽に出会ってのめり込んだけど、周りにバンド好きな人を見つけられなくって、悶々とした毎日を過ごしていました。ただ、高校に入った頃からフクザワっていうイラストサイトを作っていたので、ネット上ではいろんな人と交流して楽しくやっていました。

——そういう時代が、いまの礎を作っているんですね。

フクザワ:
確かに、現実世界に友達がたくさんいて順風満帆な学生生活だったらサイトを立ち上げたりしなかったかもしれないですね。そのあと大学で、意気揚々と軽音部に入部したんですが、ビジュアル系とヘビメタ系しかなくてやむなく断念。思いっきり音楽を謳歌する夢は叶えられなかったんです。

——あらぁ……。

フクザワ:
でも、大学三年生のある日、「やりたいことやらなきゃ!」って思い立ったんです。それでバンドのスタッフを始めたり、ネットで知り合った音楽友達と実際に会ったりするようになりました。そしたら、つながりが広がり、現実世界がどんどん変わっていったんです。

——ファンの方は、どういう人が多いですか?


フクザワ:
活動を始めて数年は、女子高生や女子大生ばかりで9割が10代女性でした。わたしのことはネットで知ったという方がほとんどで、あとはバンドを通して興味を持ってもらうことがあります。いまでも若い女性は多いけれど、初期からファンでいてくださる方と一緒に年をとってきたのもあり、年齢層はわりと広がってきました。あと、お一人様で来られる方がすごく多いです。多分、わたしに通じるものを持っている方なんだろうと思います。

——ファンからは、どんなことを言われますか?

フクザワ:
女性は「共感します」という声、男性は「絵の女の子がかわいい」という声が多いですね。

——トレードマークになっている“マスクと白衣”の意味は?


フクザワ:
白衣は、大学卒業の際、ライブペインティングをするために用意した一張羅なんです。白くてライブハウスでも目立つからお客さんに覚えてもらえるし、汚れても大丈夫だし、カッコイイなって思って。

——白衣にも10年近くの歴史があるんですね!


フクザワ:
そうなんですよ。マスクは絵を描いていると、自然と口が開いちゃうので、それが恥ずかしくて着け始めたんですが、キャラのようになっちゃって。完全に取るタイミングを失ってしまいました(笑)。


 
 

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