2018.4.10

すごい!こんな器初めて見た。(平岡)

Vol.3

  • ——ここからは、俳優の平岡祐太さんにも参加していただきます。

  • 今日、すごく楽しみにしてきたんです。事前にTIRPSEの器のこと調べてみたら、フランス料理なのに和食器なんですね。個人的には和食器だと親しみやすくていいなと思ったんですが、どうして和食器を使っているんですか?

  • 一昔前の日本のフランス料理は、本場フランスと時差がないことが良いとされてきていたんです。今のフランスで使われているものが最新かつ最高のような。僕はフランスでソムリエをしていたから、日本でフランス料理を出すならフランスと同じことをやるのではなく、日本であることの魅力をフランス料理のフィルターを通して見たかったんですよね。

  • なるほど。

  • ———平岡さんは、器に興味がありますか?

  • 去年くらいから、生活自体に興味が湧いてきたんですよね。それでまず食から見直したんです。いいものをきちんと食べる。その流れのなかで器にも興味を持つようになりました。

  • ———フレンチにはいかれますか?

  • たまにです。20代の後半は何でも一流のものに憧れた時期があって、その頃はよく行っていました。その熱が治って、その後旨くて安いところがマイブームだったんですが、それも落ち着いてきて。いまは、やっぱりときどきは一流のものに触れたいなと思っています。

  • 失礼します。一皿目をお持ちしました。

  • すごい! こんな器初めて見ました。

  • 一皿目は2種類のスナックをご用意しております。1つは高知県さんのベルガモットという柑橘をつかったチップです。上には自家製のリコッタチーズとベルガモットのコンフィチュール、刻んだみつばにフィンガーライムという小さなライムを合わせています。もう一つは玉ねぎでつくったチュイルですね。玉ねぎのペーストとアンチョビ、乾燥させたブラックオリーブのパウダーを合わせています。

  • すごいですね。これも森山さんがつくったものですか?

  • そうです。

  • 実は、最初、富士山のような型にしたかったんですが高くしすぎると、真ん中の部分が落ちてしまうため、途中からハット型にしてもらいました。

  • これはどうつくるんですか?

  • 裏返した状態のものをろくろでつくっていき、焼くときにひっくり返して焼いています。

  • 裏もみていいですか? あ、裏は普通の器の色なんですね。

  • そうですね、こっちが土の色ですね。

  • どうぞお二人召し上がってください。指でとって。

  • いただきます! あ、美味しい。すごく上品な味です。

  • ベルガモットの香りもすごいです。

  • 本当はワインと一緒に楽しむとよりいいですよね?

  • そうですね。

  • あー、今日車で来るんじゃなかったなぁ。

  • 笑。

  • この器は、大橋さんからオーダーがなかったら確実につくってなかったですね。

  • つくったところで売れないですよね。(笑)
    つくった分はTIRPSEで全部買うので、安心して作っていただければと。

  • そうですね。

  • オーダーメイド品ですね。

  • そうですね、まさにオーダーメイドです。

  • ———平岡さんのご自宅には器はありますか?

  • ありますよ。うちにあるものは、旅行のついでに買ってきたものが多くて、アーティストものは持っていないんです。

  • アーティストものに手を出すと面白いですよ。

  • いっぱいいますからね。

  • 興味はあるんですよ。なのでベタですが、北大路魯山人の美術館には行ってきました。

  • すごくいいことです。最初はわからないと思うんですが、見ているうちに興味が出てくると思いますよ。

  • 失礼します。二皿目をお持ちしました。

  • キャベツをつかった前菜です。上にのっているのは芽キャベツとキャベツのボイルとフレッシュのブンタンです。下にムースがございまして、こちらはハニーキャベツに生クリームとバニラオイルを和えています。そこに最後ブンタンの皮でつくったパウダーをかけております。

  • わくわくしますね。(ひと口食べてみて)あ! 甘いです。見た目のイメージと味がちょっと違うんですね。

  • 美味しい……。

  • これはスプーンで食べてもらうんですけど、和食器はそれまでスプーンと出会うことがなかったので、最初の頃は「器を傷つけそうだから、お箸をください」とか言われましたね。

  • なるほど。

  • 僕、実家が山口なので、2年前に萩焼をつくってみたんですよ。それで飲む焼酎の口当たりがたまらなくて。地元の工芸品に衝撃を受けたんです。

  • そうでしたか! 知っているようで知らない地元の魅力ってありますよね。

  • 最高ですね。器の角度によってお酒の味も変わりますから。

  • 失礼します。3皿目です。

  • (唸るように)なんだ、これは。

  • 緑の器に緑の食材。すごい芸術的ですね。

  • シェフが緑色の器を引き立てるために考えた、ほうれん草と牡蠣の料理です。ちぢみほうれん草と春菊を使っています。

  • 美味しいなぁ。牡蠣がまた濃厚で。

  • ほうれん草の香りがいい感じです。

  • はぁー、幸せです。

  • この器は、サイズは指定したのですが「色はいい感じに」でお願いしたんですよ。そしたらこんな綺麗な緑色にしてくれたんです。

  • なんか、こんな風に料理をのせてみると、自分がつくったとは思えない、アートなものに見えますね。

  • 笑。

(つづく)

大橋直誉
大橋直誉
1983年生まれ。レストラン「TIRPSE」オーナー。世界最速でミシュラン獲得。
レストラン運営の傍ら、イベントのディレクションや食に関わるクリエイターとの「共創」も手掛ける今話題のフードキュレーター。
小関裕太/俳優
森山寛二郎
1984年生まれ。佐賀大学文化教育学部美術・工芸過程卒業。小石原焼を代表する新進気鋭の若手陶芸家。
父・元實氏に陶芸を師事し小石原の伝統を生かしつつ、最近ではアート作品も手がける。第45回記念朝日陶芸展グランプリ受賞。
小関裕太/俳優
平岡祐太
1984年生まれ。第15回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞し彗星の如く芸能界デビュー。
映画『SWINT GIRLS』にて、第28回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。映画、ドラマに幅広く活躍する俳優。
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